未だに勝てない、母の煮しめの味

私の母は今年82歳になります。

毎年お正月には必ず煮しめを作ってくれます。

圧力鍋を使わず、ひたすら煮しめて作るのですが、どの具材も柔らかくて美味しく仕上げています。

具材は全て大きく切った鶏肉、ゴボウ、レンコン、人参、昆布、こんにゃく、椎茸、そして八つ頭が必ず入ります。

私はこの八つ頭の煮しめが大好きで、毎年楽しみにしています。

ほっこりとしてとろみがある甘い味、ジャガイモでもなく里芋でもない、独特の食感が癖になるのです。

普段何度も母に「あの煮しめを作って」と頼みましたが、八つ頭はお正月にしか出回らないので一年間我慢しています。

父が亡くなり、姉も私も家を出て、母は今一人暮らしをしています。

おせち料理も昔は手作りしていましたが、今では殆ど市販のもので済ませています。

しかしお正月に実家へ帰る時には、必ず八つ頭の煮しめだけは手作りして待ってくれています。

母は昔の人ですので麺つゆ等は使わず、東北出身なので醤油味がかなり濃い目です。

煮しめの色もどちらかと言えば黒く、市販のものと比べるとお世辞にも美味しそうに見えるとは思えません。

しかしあと何年この味を食べられるのか分かりませんが、未だに私はこの味だけは母に叶わずにいるのです。

美味しいおススメの熊本のお土産

ページ上部へ戻る